■舗装工事とは?
主に、道路・駐車場・歩道の凸凹な地盤面を、アスファルト舗装やコンクリート舗装で敷き詰め、歩行者や自動車が安全に通行するためにする工事です。
最近では多種多様な手段や着色も増えてきたので、街の景観や家に合った材料で特殊舗装するケースも増えてきています。
私も含め、思っている以上に細かく種類が枝分かれしているので、少しだけ掘り下げて説明していきます。
■主な舗装工事の種類
◎アスファルト舗装
車が走る道路や、商業施設の駐車場、普段何気なく歩く歩道の黒く舗装された地面が、アスファルト舗装になります。
メリット
・コンクリート舗装より工事費が安い
・施工スピードが速く施工後すぐに使用できる
デメリット
・コンクリート程の耐久性がない
・劣化した際の補修費用がかかる
・路面温度の上昇
夏場などの気温が高い時は、路面温度が高くなり、立っているだけで外気温以上の暑さを感じてしまいます。
アスファルト舗装の材料は、
・アスファルト(瀝青材料)
・フィラー(石粉など)
・骨材(粗骨材と細骨材)
・砂等
合わせて作ったのが、アスファルト混合物です。
アスファルトコンクリートやアスファルト合材とも呼ばれ、アスコンや合材と略称で呼ぶこともあります。
アスファルト舗装は、路床・路盤・基層・表層の4つの層で構成され、場所や状況でそれぞれの厚みや構成が変わります。
施工例として、
・下層路盤RC-40 10cm
・上層路盤RM-40 10cm
・基層 再生粗粒度 5cm
・表層 再生密粒度 5cm
計30cmの構成があります。
30cm掘り下げた路床を転圧した後、各層毎に敷き均しと転圧を繰り返して出来上がります。それぞれの層で転圧をしっかり行わないと、早々に劣化しひび割れからの陥没につながってしまいます。
◎コンクリート舗装
デパートの駐車場や、バスが止まる停留所、交通量の多い道路やトンネル内など、白く舗装された地面が、コンクリート舗装になります。自宅の駐車場などで見かけるのもコンクリートです。
メリット
・アスファルトより耐久性が高い
・長い間、補修せずに使用できる。
・白色系のため景観を崩さない
・路面温度の低減
デメリット
・アスファルト舗装より工事費が高い
・施工に時間がかかり、施工後すぐに使用できない。
コンクリート舗装の材料は、
・セメント
・砂
・石(砂利)
・水
混ぜ合わせて作ったのがコンクリートになります。
土間コンクリートやコンクリートと言われ、施工する際は生コンと略称することが多いです。
コンクリート舗装は、路床・路盤・コンクリートの3つの層で構成され、乗る車両の重さなどで厚みの構成が変わります。
施工例として、
・路盤25cm
・コンクリート25cm
・メッシュ
・面積が大きい場合は伸縮目地
ひび割れ防止として横収縮目地を適切な間隔で入れ施工致します。伸縮目地を入れないと、早期にひび割れが発生し、劣化を早める原因となってしまいます。
◎特殊舗装
コンクリートブロックを敷き詰めた道路や、色が変わっている道路、オリンピックでマラソンのコースとなった地面などが特殊舗装になります。
緑色など着色がついているのはカラー舗装になり、景観に合わせて様々な色に変えることが出来ます。
オリンピックで使用された道路は、遮熱性舗装と言われ特殊な樹脂などを塗り路面の熱が蓄えられるのを抑える効果があります。他には、半たわみ舗装呼ばれる特殊なセメントミルクを開粒度タイプの舗装に浸透させ、アスファルト舗装のたわみ性とコンクリート舗装の剛性を合わせた舗装などがあります。
浸透性や排水性など様々な舗装があり、道路事情などでどの舗装にするか選択されます。
■アスファルト舗装工事の種類
・再生アスファルト混合物
再生骨材を使用して製造するアスファルト混合物
再生密粒度、再生粗粒度、再生細粒度などがあります
※一般的に使用されるアスファルトの多くは、このアスファルト
になります。
再生材を使用しているので通常のアスファルトより安価です。
・密粒度アスファルト混合物
道路の表層
・粗粒度アスファルト混合物
2層で仕上げる際の表層下の基層
・細粒度アスファルト混合物
歩行者用の歩道や、積雪寒冷地域
・開粒度アスファルト混合物
透水性が要求される歩道や広場
・ポーラスアスファルト混合物
雨水を速やかに排水する必要がある道路
・ポリマー改質アスファルト
交通量が多く、荷重の対応が必要な箇所
骨材の大きさなどで種類が大きく分かれ、上記以外にも様々な種類のアスファルトが存在します。
■コンクリート舗装工事の種類
・生コン舗装
自宅の駐車場や土間など
※コンクリート舗装で使用されるほとんどが、生コンクリート
・普通コンクリート舗装
一般的に使用されるコンクリート
JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)規定
・連続鉄筋コンクリート舗装(CRCP)
高速道路やトンネルなど
コンクリート版に生じる横方向ひび割れの開きを連続して配置した縦方向鉄筋により拘束することで、横目地を設けない
・転圧コンクリート舗装(RCCP)
幹線道路やトンネルなど
硬いコンクリートでアスファルトと同じように施工する方法
・早期交通開放型コンクリート舗装(1DAY PAVE)
幹線道路 時間に制約がある箇所の補修など
早急ポルトランドセメントを使用し、コンクリート舗設後1日で交通開放できる
・ポーラスコンクリート舗装
透水性能が高いため、水はねが起こりにくい
連続空隙を形成し排水機能や透水機能があるコンクリート舗装
・コンポジット舗装
交通量の多い幹線道路など
アスファルト舗装の下に、コンクリート舗装をする
コンクリートの耐久性とアスファルトの良好な走行性
・ホワイトトッピング舗装
アスファルト舗装の道路
コンクリート舗装の下に、アスファルト舗装をする
アスファルト舗装の傷んだ道路を補修
施工箇所によって大きく分かれ、上記以外にも様々な種類のコンクリートが存在します。
■特殊舗装工事の種類
・コンクリートブロック舗装
商店街や遊歩道など
独特の形状や色で製造された、インターロッキングブロックと呼ばれる舗装用コンクリートブロックを敷き並べる舗装
・カラー舗装
歩道やショッピングセンターなど
顔料を添加したカラーアスファルト混合物や、カラー舗装材を用いた舗装
・排水性舗装
透水性のポーラスアスファルト混合物を車道の表層に用いて、雨水を路面下に浸透・排出する舗装
・ロードヒーティング
舗装の中に、電熱線類・温水を循環させるパイプを埋設し、路面を加熱することによって雪や寒冷地での凍結を防止する舗装
・半たわみ舗装
早期解放のバス停など
浸透性のある開粒度アスファルト舗装に、セメントミルクを浸透させ、アスファルト舗装の施工性の良さとコンクリート舗装の耐久性の高さの利点を取り入れた舗装
■まとめ
多種多様な舗装が存在する中で、民間で使用される舗装は限られています。しかし1通りではないので、これから舗装を考えている方は、用途と状況をしっかり確認して、どの舗装にするか考えてみてください。
見てもわからないというときは、専門業者に聞いてみましょう。
・アスファルト舗装
安価で施工日数が短い・耐久年数が短い・路面温度の上昇
・コンクリート舗装
高価で施工日数が長い・耐久年数が長い・路面温度の低減
・特殊舗装
全体的に高価で施工日数が長い・景観や特殊な状況に最適